hippoTV動画第十一回放送インタビュー
江戸小唄扇派2代目家元「扇よし和」<おうぎよしかず>
━━━扇先生、小唄に「ワザ」というものは、あるんですか?
- えーえ、あの唄い方とかもありますけれども、お三味線が色々あるんですね、弾き方が。
例えばね、よく『チン・トン・シャン』とか前弾きっていうんですが、『チン・トン・シャン』こう。
これが『チン・トン・シャン』なんですね。それともう一つ、もう代表的なのが、これね。?♪?
これもね、口三味線でまず覚えるといいんです。
━━━口で言いながら、それに音を合わせていくっていうの面白いですね。
チャン・ティン・トン・ティンみたいに?
- 必ず、三味線でっていう。
それはトンチンカンです。で、あとね、面白いのは技というよりも川音、そして水音っていうのはね、こういうツクダという。お芝居でもよく、出の時に。これをね、早く弾くとこう川の流れが激しい。
━━━そういう技っていうものは、我々でもできるんですか?
- ちゃんとそういうのができてますね。で、弾きっていうのが、こう弾くという。で、すくうという。
この技でしょうね。軽く弾く、すくう、弾く。薬指でよく弾きます。中指はこういうことでしょうかね。
もちろんできます。だって、初めてお稽古に見える方は何もわからないでお見えになる方ばっかりです
━━━伝承してきた「江戸小唄」の「技」とは、何なんでしょうか?
- 『技』というのは先ほどもお稽古していただきましたけれども、やっぱりね、精進することだとおもうんですね。
『技』、すぐ上手くなるというわけじゃないですから、もうずっと先も継続、6・6・6の継続と同じで、一生懸命精進する、お稽古。何につけてもお稽古だと思ってます。それが技に通じてくると思っております。
━━━『春』っていう意味が色んな物があるんですね。で、 今日ちょっとの時間でやらしていただいた。
もっともっとこう、唄を上手くなりたいとか、どうしたらいいのでしょうか?
- あの、私共にお稽古に見えるというのが一番早いかと思いますが。いや、本当にお稽古する。で、今は皆さんケータイに入れたりして、それをご自分でお稽古することもできますから、とても早いと思うんですね。
やっぱりお稽古することじゃないですね。
━━━その音階っていうものがどのようにするのですか?
- それがですね、これがね、今は付いてないですけど、こちらのね、内の方の通りにこうずっとこう一、二、三、四、五、と数字を書くのがあるんです。
テープが、あるんですね、稽古するときに。 - それで、私共はこういう『いろはにほへと』の不思議な暗号の様なこれ、チン・トン・シャンっていうんですけれども、今三線譜で皆さんにお稽古してるんですね。三線譜っていうのは五線譜じゃなくて、こう3本で3・2・1という形でね。で、チン・ドン・シャンなら4・0・4・0という形になるんです。
━━━先生がわざわざ、この番組のために即興でね、作らせていただいたんです。
世界に向けてですね!
- 今日、この世界に、小唄を発表させていただくっていう私の感激と心を込めた唄なんですが。
この愛宕山のこのスタジオから世界に向けて、この『扇開けば』をちょっとコマーシャルさせていただいて。
でも、扇っていうのはいつでも末広がり。開くと、末広がり。こう、良いことでございますからね。それで、そういう意味も込めて。
そして、先ほどもお稽古していただいた、三味線の音締。
それも、もう粋な小唄は粋であって、品良くということですから、その意味も込めて、最後にタイトルの『江戸小唄』とさせていただいたようなわけでございます。
━━━江戸小唄の「伝承人(でんしょうびと)」扇先生にとって、日本の伝統文化、「江戸小唄」の素晴らしさは何でしょうか?
- はい。今のこの平成の世の中でも、この唄がすっと入って唄えるということね。それがまず何よりだと思います。
それが、もう江戸の時代からこうずっと繋がってる文化でございますでしょ。それを今こうやって唄ってもなんのこう『あら、変だわ』と感じがないと思うんですね。
で、それが私は素晴らしいことだと思うんです、小唄の素晴らしさ。で、短い詩の中に、こう色んなこの心を込めてあるということも素敵だと思いますし。あのー、いつもそういう気持ちで、小唄を唄わせていただいております。はい。今日本の文化を外国の方たちがすごくもう認めて。日本人よりもいいじゃないですか、認めて。
江戸小唄 扇派2代目家元「扇よし和」<おうぎよしかず>
Ougiyoshikazu
江戸小唄の世界へようこそ!
小唄 扇派
2代目家元「扇よし和」<おうぎよしかず>
4歳で日本舞踊を始め、6歳6月6日花菱は満哉師匠に師事し、長唄・清元の稽古を始めました。
10歳のとき、おさらい会で勧進帳のたて三味線を弾きました。
12歳で小唄花菱派名取となり、襲名披露を致しました。
高等学校3年のとき、花菱派家元のご紹介で扇派初代家元よし師匠に師事し、『扇よし和』を名取襲名致しました。
昭和54年6月 日本小唄連盟新人賞を受賞しました。
昭和61年6月 扇派二代目家元を襲名すると、
ラジオ・テレビ・舞台など精力的に活動しつつ、シンセサイザーとのコラボレーションに挑戦。
一昨年には、小唄扇派樹立50周年 二代目家元襲名30周年記念会を開催しました。
公式サイト ⇒http://ougiyoshikazu.com/