hippoTV動画第六回放送インタビュー
【 能楽師 大倉正之助 】
━━━大倉先生にとって1番大事な技とはどのようなことでしょうか?
- 技って言うのは、誰でも真摯に技を磨こうとして向き合う姿勢があれば、体得できると思いますけどやはり心ってのは、波がありますでしょ。
だけど、想念、または表現の基となるものの精神というものは、絶えず高みをもっていませんと、それはもう以心伝心でそこにいる方々に伝わってしまうというのが怖いなと思います。
日々私もそういうのを怠ったときには皆さんに伝わってしまいますからね。
そこは怖いところだなと思っています。
━━━大倉先生に、世界に体当たりをして頂きたいと思います。何をしていただきましょうか?
- 私も色々なジャンル問わずコラボというか、セッションさせて頂いておりまして、今回はジャズのサックスの平原さんとお茶の平野宗雅さんとご一緒に調べの中でお茶を点てて頂くというような趣向でコラボレーションします。
━━━すごいものを見せていただいたんですけども、コラボされた形ということで、あれは一体どういう?
- まったく即興で何の打ち合わせもなく、お互いに持っているものが表現がここで出会って、富士がね存在感がある中で自ずとその雰囲気っていうのを、察知するじゃないですか。
それはサックスの平原さんもそうだろうし、私もそうだしお互いの意識というか
その中の一つをお互い持ち寄って自然にここの場が作られたっていう気がしますけどね。
━━━このような活動を通して、世界に鼓をどうやって発信していかれるのでしょうか?
- 最後に価値があるのは文化しかない。それをお互いに相手を尊重し、相手の素晴らしさを認め、そして私の持っているものを通して、相手の方に喜んで頂いたり、感銘を受けていただいたりすることでね、お互いが近づく、そういうことを通して世界が融和していく、融合していくというところに一つの役立ちを担えたらという想いではありますよね。
━━━サックスっていう洋のものと、茶道という和のもの、それに繋げていく魂を鼓で踏み込んでるという感じを、感じたんですがどうでしょうか?
- 理屈じゃない部分で、お互いに生きているもの同士が、感銘しあうっていうか魂の響き合いという中で共感を持つ。我々はお互いに生きている存在なんだとだったら尊重し合おうよというところになっていくことがこれからの時代の一番の大事なところじゃないかと思います。
━━━ほかに先生は世界の中で素晴らしいコラボレーションをされてますが?
- これは新国立劇場で演出した、徐風というタイトルでフルーティストとコンテンポラリーダンサーが集まりまして表現した作品だったんですね。
ローマ法王と。これは2000年ミレニアムの当時ヨハネパウロ二世が、世界7カ国から代表するアーティストを集めて、バチカンで8000人入るホールがあってクリスマスコンサートをやるわけですね。
日本の独奏で、三番叟(さんばそう)という、いわゆる祝祭の曲を奏上させて頂きました。
━━━海外の方は能を分かるんですか?
- 人間の何かを表現しようとしているひたむきさとか、想いとかっていうのは、言葉を通じて伝わるというより感性で伝わるというか。
それは言語が通じる日本人同士よりも、感性の方が素直に受け止めて頂いてます。
━━━能楽の伝承人、大倉先生にとって日本の伝統文化、能楽の素晴らしさはなんでしょうか?
- 何も考えずに見てもよし、眠っても良いし。
だけどそういうものを見続けて、噛み続けてると味がじわじわと出続けていく、そういう息の長い付き合いをしていく。
人生の成長過程においてそれと一緒にスライドしてそういうものからのメッセージや示唆するものや、情報っていうものが与えられるものだと。奥の深いものだと思って頂いて。始めてみるときの驚きとか。
そういうものを経て理解に繋がっていく過程を楽しむ。
そういう相手として能は面白いんじゃないかと思います。
能楽師 大倉正之助(おおくら しょうのすけ)
Shonosuke Okura
能楽囃子大倉流大鼓 重要無形文化財総合認定保持者
公益社団法人能楽協会会員 一般社団法人日本能楽会会員
室町時代より代々続く能楽囃子大倉流大鼓、小鼓の宗家に生まれ、父・大倉長十郎、祖父・大倉長右衛門より稽古を受け、9才で初舞台。
能楽公演では翁附五流五番能の企画制作を自ら行い、且つ大鼓を一日全て一人で打ち納め、能楽史上、囃子方として前人未到の試みを成し遂げ成功を収める。
能楽の公演他、世界各国の首脳・VIP来日時等、首相官邸晩餐会での演奏や、政府主催の音楽祭に参加、ローマ法王より招聘されバチカン宮殿内においても日本代表として演奏する。
東京ドームで行われたMLB(メジャーリーグベースボール)開幕戦オープニング式典に出演。総合格闘技ダイナマイトでは、国立競技場にて10万人の観衆の前で独奏。国内外のアーティストとの共演等、 国際文化交流の場で活躍。
CM、ドキュメンタリー番組などメディアにも多数出演し、日本の素晴らしい文化を世界に向け、発信し続けている。
ユニバーサルミュージックよりCD「飛天」発売。
公式ホームページはこちら ⇒http://www.hiten-jp.com/
オフィシャルブログ⇒http://blog.eigyo.co.jp/hiten/
マルチサックスプレイヤー 平原まこと (ひらはらまこと)
Makoto Hirahara
マルチサックスプレイヤー。大阪府出身。
ジャズトランペットで有名だった平原勉を父に持ち、娘は平原綾香とaika。
ヒットチャートに名を連ねるアーティスト(安全地帯、B'z、山下達郎、さだまさし等)CDには殆ど名を見つけることが出来る超売れっ子プレーヤー。
フランクシナトラ、ナタリーコール等の外国アーティストのコンサートに参加したり、カーネギーホールにも出演。
多いときには年間1000曲を超えるレコーディングに参加。
今までに、「月の癒しvol.1」「月の癒しvol.2」宮川彬良とのデュオ「アコースティックヤマト」「アキラさんとまこと君 ふたりのオーケストラ」をリリース。
公式サイトはこちら ⇒http://www4.point.ne.jp/~office-mama/makoto.html
所属事務所 Office MAMA.⇒http://officemama.co.jp/
茶道家 平野宗雅 (ひらのそうが)
Souga Hirano
1991年 裏千家に入門
2005年 茶名「宗雅」をお家元より拝受
公式Facebookはこちら ⇒
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